鏡野中学校でのコンサート。

2007年12月14日。この年最後の学校関係での佳さんのコンサートが、高知県香美市(旧土佐山田町)の鏡野中学校でありました。
佳さんのつぶやき日記にも紹介されていましたが、3年ごとにずっと佳さんを呼んでくださっているとのこと。広い体育館には生徒さんや地域の方々が、満席状態で集まってくださっていました。
鏡野中(歌うkeiさん)

幼い頃のエピソードを語りながら、佳さんが2曲、3曲と歌っていくに連れて、少しざわついていた会場の雰囲気が少しずつ変化していきます。
5歳の頃から高知市内の盲学校に入り寮生活を送っていた佳さんですが、長期のお休みごとに中村の実家からJRで通っていた時の車内販売のおばさんのエピソードを、モノマネをしながらユーモアたっぷりに話すと、会場からはいつも以上に笑い声が響きます。
そして「ギターを始めた理由はたったひとつ!女の子にモテたいから!」と佳さんが、盲学校の寮でギターを弾き始めた頃のエピソードを話し始めると、ちょうど鏡野中学校の皆さんとも同じ世代の話なので、ぐっと身近に感じられるようでした。
佳さんが、今のギターの弾き方になった理由を説明すると、会場からは「へぇ~!」と感心の声。

鏡野中(会場全体)

そして何より会場が盛り上がった瞬間がありました。
佳さんが、学校関係以外でも、全国でのコンサート活動や、ラジオのパーソナリティ、CMの声などもしています・・・と、現在高知で流れているCMをいくつか紹介すると。
1つ紹介するたびに「おお~!!」という大きな歓声が、徐々に大きくなっていきます。
「似いちゅ~!」という生徒さんの声に、「似いちゅうって、本物やし!」と笑って答える佳さん(^^)
そして、ギフトガーデンルピナスのCMソングを歌ったとたん、会場からはすごい歓声と拍手!!
「・・・あのよ、すごい疑問に思うがやけど。
今までの歌の中で一番ルピナスが拍手が多いがやけど、どうしてよ!?」
と佳さんが一言ツッコミを入れると、また会場が大爆笑に包まれました。

その後の”病院のトイレの怖い話”のエピソードでも、怖さを盛り上げる佳さんの演出に「えー!怖い!」と会場はザワザワ、そして・・・結末を聞いたとたん会場は笑いに包まれて大興奮!
どうも、鏡野中学校の生徒さんはとっても感受性が豊かなようです。素敵ですねぇ(^^)

鏡野中(歌うkeiさんと生徒)
そしてkeiさんが、そんな素適な生徒さん達にメッセージを込めて「徳弘のおじいちゃん」「そのままの君で」を歌います。歌い終えて拍手に包まれたあと、静かに佳さんが今感じたことを伝えてくれました。

みんなの拍手、手と手が当たる音の中に、いろんな想いを込めてくれているのが伝わってきたよ。すっごく優しくてほんまに嬉しかった。素適な拍手をありがとう。きっと、徳弘のおじいちゃんも喜んでくれていると思います。そんなみんなに、一番伝えたいことを今から言いますね。
「無理やり人を好きになったり、無理やり誰かに優しくしたり、ましてや無理やりいい子になったり、そんなことをする前にまず今の自分を認めてあげて欲しいんです。
勉強が出来ないとか、スポーツが出来ないとか・・・そんなことどうでもいいから、そのままでいいから、今の自分を認めてあげて。
どうしてかって言うとね。みんな、今生きてるだけでもすごいことなんだから。
言いたいこと言えて、美味しいもの食べて美味しいって言えて、それだけでも幸せやん。
誰かに言われる前に、”そのままの自分が大好きだよ”って、まず自分で言ってあげよう。」

佳さんの強い思いのこもったメッセージは歌に乗せて、気に乗せて、スーッと心に清々しく入り込んでくる風のように、会場の一番後ろにいる人にまで、届いていくのを感じました。
後ろで生徒さんを見守りながら聴いてくださっている先生方の心にも、きっと響いたことと思います。
鏡野中(keiさんズーム)
そして「さくら」という歌を作った時の想いを語りながら、生徒さんたちに語りかけます。
ある時に詩とメロディーが同時にバーッと浮かんできて、それを覚えるために何度も歌っていたら涙がボロボロ出てきて止まらなくなった。どうしてこんなに涙が出るんだろう?と考えたら・・・
そうか、実はこれはさくらのことだけじゃない。世の中のお父さん、お母さん達はみんな、自分達の子供にこんな願いをかけているんだって気がついたんです。だからそんな世界中のお父さん、お母さんの想いが僕に涙を流させたんだと思うんですよね。
だからみんなも、さくらという部分を自分の名前に置き換えて聞いてね。
みんなのお父さんやお母さんも絶対にみんなのこと、こんな風に思ってるから。
僕が保証するから。間違いないから。
そして、会場の後ろに居るお父さんやお母さん方も、心の中で自分の子供さんを抱きしめながら聴いてください。

佳さんの歌をまっすぐに受け止めてくれている会場の皆さんの様子を感じた佳さんは、思わず感極まってしまい、涙交じりの声で伝えてくれました。
「今は大変な時代だけど、みんな頑張ってね。本当に健やかに幸せに生きてね。」

そして一曲だけラブソングをと「一番近いあなたへ」を歌ったあとに、ストレートな飾らない言葉で人に伝えることの大切さを話してくれました。
佳さんの言葉を聞いて、友達や親子の間で、素直な気持ちを伝え合えるような会話がたくさん増えるといいなと願います。
最後に幸せについて、佳さんが語ります。
「幸せって、自分がそれを感じられる心を持っているかどうか。
だからみんな、幸せっていますぐになれるんですよ。どうかみんな、幸せに生きてね。」

全ての歌を歌い終える頃には、最初にざわついていた雰囲気は消えて、会場がひとつになっていました。始まってすぐは退屈そうにしていた男の子も、最後の「輝け虹色丸」を歌う頃には、笑顔で手拍子をしながらステージ上の佳さんを見つめていました。
「みんなそれぞれ違った個性を持っているから。みんなの違いを認め合えるようになってね。」
最後に佳さんがメッセージを伝えてステージを終えようとすると、すぐに「アンコール!」の声!
「自分生活美しい」でさらに佳さんと会場の心がひとつに盛り上がり、この日のステージは終わりました。

鏡野中(生徒からの感謝の言葉)
最後に生徒会の方から、お礼の言葉と花束をいただきました。
「心に残る歌をたくさん歌ってくださってありがとうございました。」「鏡野に来た時に”帰って来たなぁ”という気がすると言ってくれて嬉しかったです。」「そのままの君でを聴いて、そのままの私でいいんだと思えて、勇気をもらいました。」
素直で感性の豊かな鏡野中学校の皆さんから、キラキラした笑顔と素適な言葉をいただきました。
3年ごとのコンサート開催を実現してくださっている中澤校長先生をはじめ、先生方、本当にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています!

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